ライカ共同開発カメラ搭載でコスパ抜群。シャオミのハイエンドスマホ「Xiaomi 14Tシリーズ」が発表
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Xiaomiは10月10日、ライカと共同開発したトリプルカメラシステムを搭載するハイエンドスマートフォン「Xiaomi 14Tシリーズ」を発表しました。この記事では、発表に際して実施された製品内覧会の様子をレポートします。
Xiaomi 14Tシリーズは、高い性能・機能性を備えながらも手の届きやすい価格帯を実現したハイエンドモデル。日本で販売されるTシリーズとして初めて、ライカと共同開発したカメラシステムを採用している点が注目です。
直近のXiaomiは、グローバル市場において16四半期連続でスマートフォンブランド第3位を維持しており、日本市場においても出荷台数ベースで第3位(シェア6%)に躍進しています。日本市場では「Xiaomi 14 Ultra」という弩級のフラッグシップモデルを投入していますが、今回発表されたXiaomi 14Tシリーズは、それよりも手ごろなコスパ重視のモデルという位置づけです。
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Xiaomi 14T Proは11月下旬以降、Xiaomi 14Tは12月中旬以降に発売予定。Xiaomi 14T ProのSIMフリー版は12GB RAM・256GB ROMモデルが10万9800円(税込)、12GB RAM・512GB ROMモデルが11万9800円(税込)で提供されます。キャリアモデルに関しては、ソフトバンクの「神ジューデン対応モデル」第3弾として11月下旬以降に発売されますが、現時点で価格は未定となっています。
Xiaomi 14Tはau版とUQモバイル版が12月中旬以降に発売される予定です。両者とも価格は現時点で未定となっており、SIMフリー版の販売は予定されていません。
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カラーは2機種とも3色展開。超急速充電への対応も注目
新シリーズはチタンカラーを全面的に採用し、Xiaomi 14T ProとXiaomi 14Tで異なる色展開を提供しています。
Xiaomi 14T Proは3色展開で、チタンブラック、チタングレー、チタンブルーをラインナップしています。チタンブラックは14T Pro特有のカラーで、マットな仕上げに微細な粒子感のあるテクスチャーを備え、光を吸収するような質感で深みのある高級感を演出しています。
チタングレーとチタンブルーは14T Proと14Tに共通の色です。チタングレーは、チタン本来の色味に近い独特の風合いを持ち、光の当たり方によっては茶色系にも見える深みのある色合いが特徴です。サテンのような柔らかな光沢を持ち、なめらかで上品な印象を与えます。チタンブルーは、柔らかな光沢を持つメタリックな仕上げで、光を繊細に反射します。表面は滑らかで均一であり、青みがかった薄紫色が高級感とモダンな印象を醸し出しています。
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一方、Xiaomi 14Tは、チタングレーとチタンブルーに加え、このモデルだけのカラーとしてレモングリーンをラインナップしています。レモングリーンは14T独自の色で、ヴィーガンレザー(人工皮革)を採用。手に馴染むような柔らかさと温かみのある触感を持ちながら、フレッシュな色味を兼ね備えているのが特徴です。
急速充電への対応も注目ポイントです。Xiaomi 14T Proは120W Xiaomiハイパーチャージに対応し、わずか19分で1%から100%まで充電可能。一方、Xiaomi 14Tは67W Xiaomiターボチャージに対応し、15分で約50%まで充電できます。両モデルとも5000mAhの大容量バッテリーを搭載しており、充電器も同梱されています。また「Xiaomi 14T Pro」のみ、Qi規格で最大10Wのワイヤレス充電に対応するとのこと。バッテリーの長寿命化技術も搭載しており、充電回数(充電サイクル)が1600回に達しても80%の最大容量を維持できる設計となっています。
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トリプルカメラは機種ごとにセンサーと最大ズーム倍率が異なる
新シリーズの目玉は、ライカと共同開発した高性能カメラシステムです。両モデルともライカブランドが付いたズミルックスレンズを搭載しています。このレンズは7枚組の非球面レンズで構成され、優れた光学性能を発揮します。光を効率的に取り込む設計で、特に夜間や低光量環境での撮影性能が向上しているのが特徴です。
Xiaomi 14T ProとXiaomi 14Tは、共にトリプルカメラシステムを採用していますが、イメージセンサーと望遠ズーム上限に違いがあります。Xiaomi 14T Proは、独自ブランドの1/1.31インチ大型イメージセンサー「Light Fusion 900」を搭載しています。望遠ズームは最大2.6倍、デジタルズームは30倍です。
このセンサーは、13.5EVという高いダイナミックレンジを持ち、14ビットの色深度により、約1兆6000万色という豊富な色彩表現が可能としています。明暗差の激しいシーンでも細部まで鮮明に撮影でき、より自然で繊細な色表現に優れています。
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一方、Xiaomi 14Tは1/1.56インチのソニー製IMX906イメージセンサーを使用しており、こちらも高品質な撮影が可能なのは同じ。ただし望遠ズームは最大2倍と、Proよりもやや短くなっています。
ポートレート撮影においては、2つの特徴的なモードを搭載。まず、ライカポートレートモードでは、ライカカメラ特有の自然な描写で、より立体感のある人物写真を撮影できます。もうひとつのマスターポートレートモードでは、23mm、35mm、50mm、75mmの4つの固定画角が選択でき、渦巻き状などの印象的なボケ効果を加えられます。被写体をより際立たせ、アーティスティックな雰囲気の写真を簡単に撮影できるわけです。
発表会の会場で実機での撮影を体験する機会がありました。体験したのは下位モデルのXiaomi 14Tでしたが、ライカならではの質感が感じられるポートレートモードや、夕暮れ時の低光量環境での撮影を試すことができました。
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Geminiの「かこって検索」などAI機能もカバー
Xiaomi 14T ProはフラッグシップSoC「MediaTek Dimensity 9300+」、Xiaomi 14TはDimensity 8300-Ultraを搭載。AI関連の機能も利用可能で、Google Geminiもサポートしており、画面をなぞるだけで検索ができる「かこって検索」機能にも対応します。
写真編集においては、たとえばAI拡大機能を使用すると、写真の背景に合わせて周辺の様子を自動的に生成し、画角を広げられます。さらにAIポートレート機能では、人物のモデルを作成し、プロンプトで指示した通りにその人物を入れたポートレートを作成可能です。20枚ほどの写真で人物を学習する手間はありますが、架空の旅先での記念写真や仮想空間での写真のような面白いポートレートを作成できます。
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動画編集においても、AIフィルム機能を使用することで、短いハイライト動画を簡単に作成可能。AIレコーダー機能は、録音の書き起こしや話者認識、さらには翻訳まで対応しています。これにより、会議や講義の内容を効率的に記録し、後で容易に参照することができます。
Xiaomi 14Tシリーズは、これらのAI機能をオンデバイス(端末単体)で処理できる性能を備えていますが、画像生成AIや文字起こしなどの機能は現時点ではクラウドを使っているそうです。
ディスプレーは両モデルとも6.7インチ有機EL。リフレッシュレートは最大144Hzサポート
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両モデルとも、6.7インチの1.5K解像度(2712×1220)有機EL(AMOLED)ディスプレーを搭載しています。薄型ベゼルデザインを採用し、最大144Hzのリフレッシュレートにも対応。新しいカスタム発光素材を採用することで、より鮮やかで力強い視覚体験を実現したとのことです。AI機能により、使用シーンや時間に応じて色温度と輝度を最適に調整するなど、アイケア効果にも配慮しています。
防水防塵性能においては、両モデルともIP68規格に対応し、セキュリティ面ではディスプレー内蔵タイプの指紋認証センサーとカメラによる顔認証の両方をサポート。そのほか、日本市場向けのおサイフケータイもきっちり対応しています。
ネットワークに関しては、Xiaomi 14T Proは最新のWi-Fi 7、Xiaomi 14TはWi-Fi 6Eをそれぞれサポート。もちろん両機種とも5G対応で、SIMは物理的なnanoSIMとeSIMの両方を利用可能です。
100インチの超大型チューナーレススマートTVなど複数製品もあわせて発表
今回の発表会では、スマートフォン以外にも複数のカテゴリの製品が発表されました。
スマートウォッチは「Redmi Watch 5 Lite」と「Redmi Watch 5 Active」の2機種が登場しています。「Redmi Watch 5 Lite」は、GPSを搭載し、価格は6480円(税込)です。1.96インチの有機ELディスプレイを採用し、スマートフォンなしでもランニングなどのワークアウトが可能です。「Redmi Watch 5 Active」は、3980円(税込)とより手頃で、2インチの液晶ディスプレイを搭載。両モデルとも最大18日間の長時間バッテリー持続を実現し、アウトドアや旅行時の使用に適しています。
また、新たなワイヤレスイヤホン「Xiaomi Buds 5」も発表されました。1万1480円(税込)で、アクティブノイズキャンセリングを搭載したインナーイヤー型モデルです。
11mmデュアルマグネットドライバーを内蔵し、Qualcomm aptX Losslessによるハイレゾ再生に対応。AI搭載のノイズリダクション機能により、風速12m/sの風の中でもクリアな通話が可能としています。ユニークな機能としてワンタップで最大3時間の録音ができる機能を搭載しています。電池持ちも優れており、イヤホン単体で6.5時間、充電ケース併用で最大39時間の音楽再生が可能。10分の急速充電で約2時間の音楽再生ができます。
さらに、昨年の86インチモデルを上回る100インチの超大型チューナーレススマートテレビ「Xiaomi TV Max 100 2025」も発表。4K解像度の量子ドット(QLED)パネルを採用し、10億色以上を表現する広色域を実現しています。144Hzのリフレッシュレートに加え、ドルビービジョンのようなHDR規格や、ドルビーアトモスなどの空間オーディオもサポート。OSはGoogle TVを搭載し、各種配信アプリにも対応します。市場想定価格は29万9800円(税込)。
新しいロボット掃除機は「Xiaomi ロボット掃除機 X20 Max」と「Xiaomi ロボット掃除機 X20 Pro」の2モデルをラインナップ。フラッグシップモデルとなるX20 Maxは、壁や家具の近くで自動的に伸びる伸縮モップアームと、吸い込んだ髪の毛を自動的にカットする毛絡み防止ブラシを内蔵。届きにくい場所もしっかり掃除でき、自動モップ洗浄と乾燥機能を備えたオールインワンステーションにより、掃除機本体の手入れも簡単となっています。
X20 Proもオールインワン型で、両モデルとも部屋の形や障害物を正確に把握するための構造化光方式とレーザーナビゲーションシステムを搭載。家具や壁を避けながら効率的に掃除ができるとしています。吸引力については、X20 Maxが最大8000Pa、X20 Proが7000Paと強力で、さまざまな床の種類でも効果的に掃除ができます。価格はX20 Maxが7万4800円(税込)、X20 Proが6万9800円(税込)。
「Xiaomi スマート空気清浄機 4 Compact」は、背の低いコンパクトサイズながら高性能な3-in-1フィルターを搭載。0.3μmの粒子を99.97%捕捉する能力を持ち、粒子状物質センサーにより清浄の強弱を自動で調整可能とのこと。静かな動作音と効率的な省エネ設計が特徴で、Xiaomi Homeアプリによる遠隔操作にも対応し、価格は9580円(税込)です。
このほか、モバイルバッテリーの「Xiaomi 33W Power Bank 20000mAh(Integrated Cable)」とUSBハブ「Xiaomi 5-in-1 Type-C ハブ」も発表されています。
今後もストア展開を継続か
冒頭でも少し触れましたが、Xiaomiは日本市場での存在感を着実に高めています。8月には約20製品、そして10月には31製品ものスマートライフ製品を一気に発表し、販売を開始しました。これらの製品群は掃除機から筆記用具まで多岐にわたり、まさに店舗の棚を埋め尽くすほどの幅広いラインナップとなっています。
ちなみに日本でのXiaomiの実店舗展開は、現在渋谷パルコのポップアップストアのみ。このポップアップストアは好評を博しているとのことで、発表会では2度目の出店期間の延長がアナウンスされました。
これは、将来的な日本でのMi Store(Xiaomiの直営店)展開を見据えた伏線と考えられます。多様な製品ラインナップを一気に揃え、ポップアップストアでの反応を慎重に観察することで、日本市場での本格的な小売展開に向けた情報を収集し、戦略を練っているようです。
この動きは、Xiaomiが単にスマートフォンメーカーとしてだけでなく、総合的なスマートライフブランドとして日本市場に浸透しようとする野心的な計画の一環と言えるでしょう。豊富な製品ラインナップとポップアップストアでの成功を足がかりに、本格的な店舗展開に向けて着々と準備を進めているのではないでしょうか。
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